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FUSSA TALK #06 アラタ・クールハンドさん イラストレーター
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8年に渡る取材から厳選した、
古い平屋=フラットハウスを、
細部まで徹底的に紹介した「FLAT HOUSE LIFE」。
基本一冊一軒というスタイルで、
さらに平屋の深〜いところまで迫る「FLAT HOUSE style」。
今回はこの本の著者であるイラストレーター、
アラタ・クールハンドさんからお話を伺うことが出来ました。
福生の魅力をたっぷり語っていただいた一時間ちょい。
その一部始終をどうぞご覧下さいませ。





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――アラタさんが福生に訪れる事になったきっかけを教えてください。

22、3年くらい前、80年代の終わりあたりだったかな。
友達の家に遊びに行ったのがきっかけです。


――福生で思い出に残るエピソードはありますか?

その友人の家というのはブログにも登場している
ノブちゃんのハウスでね。
その一帯にある米軍ハウスを
知り合いみんなでシェアしていて
そこへ毎週末通っていたような時期があって。
集落の真ん中に共有庭があって
そこで焚き火を囲んでお酒を飲んで…
それがすごく楽しくてね。

彼らの生活の印象は「ふざけて」いるみたいな、
なんか冗談で生活してるみたいな暮らしぶり。
子供の頃したような基地ごっこを
ハウスを使ってしている感じ。

それからデザイン学校の夜学に通っているときに
よく写真の課題で撮影に行ってたね。
早朝に青梅線や八高線の線路を使って撮ったりとか。
その時の写真が下級生の授業に用いられたりして。
その思い出はすごく強いかなぁ。

横田基地のカーニバルへも当時行ったけど
人が多過ぎてさ。人ごみや並んだりするの嫌いだから。
その後二度と行こうとは思わなかったね…(笑)

都下、特に福生って
独自の「時計」がある感じでいいじゃないですか。
街がビジネス中心でまわってないところってのは
やっぱりいいですよ。


――ずばり福生の魅力ってなんでしょう?

さっきも言ったように
経済中心でまわっていない土地というところ。
しかもそこに住んでいる人たちが街に
ある程度のバリューを見出しているところがいいよね。
京都とまではいかないにしても、
(住民の意識に)それとちょっと近い部分がある。
だからもっとその辺(=住民の意識)が
高くなっていくといいよね。
今は圧倒的にただ住んでるっていう人たちが
多いと思うので、ここは特別な街なんだという
意識をもっとみんなが持つといいと思う。

この界隈の住人は残った米軍ハウスをなにか
野良犬を見るような感覚で見ているんじゃないかなあ。
興味がないわけじゃないんだけど
あまり関わりを持とうと思ってない、というかね。
でも風景としての認識はあると思うんですよ。
そこがもうちょっとしっかりすると、
もっといい街になって行くと思う。
ありがちな新築建て売りばかりの
再開発タウンを目指さないでね。


――ふむふむ。

吉祥寺という街がそのやり方で成功しているんですよ。
昭和30年代から40年代くらいにかけて
再開発のハナシがあったらしいんですけど、
あそこの商店街の人たちが大反対したんだとか。
それでああいう低層の店舗で
それぞれの経営者がビルを建てずに
頑張って行くという方向になった。
それが現在まで続くあのバリューを生んだんだよね。

他の街だったらホイホイ開発しちゃった
ところなんだろうけど、
それを食い止めた方も
思い留った方も偉かったなあ、と。

再開発したところで、どこも同じような
店舗が入るわけじゃないですか。
ファストフードとか100均とかドラッグストアとかね。
そんな似たような街が等間隔に
いくつもあっても仕方がないでしょう?

独自性をそれぞれが目指して行くという意味では、
福生のポテンシャルは他の町より高い。
だけど福生はもうちょっと住み手の意識が必要。
その辺をきちんとアナウンスする人がいて音頭をとり
残った米軍ハウスをポンコツ屋敷扱いせずに
税金や商売から外して考えさせる。
それを街全体が認識して宝物として残す。

ハウス残せばある程度免税してあげるなどの
処置をすれば、オーナーも綺麗にしておくでしょう。
そうすると街の景観維持にも繋がって行くわけだし。

そして住む側にすごく言いたいのは
借りている人たちも荒れ放題にせず
ちゃんと綺麗にして住んでほしい、ということ。
そこをサボると結局は周辺一帯がスラム化してきちゃって
大家さんもだんだん大事に思わなくなり
町のお荷物意識が出てきちゃう。で、取り壊し。

でも中には米軍ハウスをすごく
大事に思っている大家さんもいるんです。
だからその辺をもうちょっと
みんなが価値観を一本化して行くことが大切。
「きちんとこれは残していこうね」
っていう空気になると、
もっといい街になると思うんだよね。
それはやればできると思う。
若い人たちがちゃんと認めてあげることで、
年配世代も含めみんなが
考え直していくと思いますけどね。


――福生の好きな場所や景色はありますか?

八高線沿いとかいいですよね。
あとは個人的に『ハウス銀座』と呼んでいる
わらつけ街道沿いの風景は好き。
東福生駅みたいな、
駅の界隈の建物が低くて、
ワーっとロータリーになっているところ、
あんな感じも結構好きです。
郊外独特のちょっと地方都市っぽい感じの、
ああいう街の作り方っていいですよね。
あれが全部個人商店で出来ていたら最高。
それで小さめの映画館があったりして。
今だったらもう一回出来ると思うんだけどね。

島根県に石見銀山ってあるでしょ?


――あ、はいはい。

世界遺産になった観光地。
あそこを仕切っている人がすごく賢い人でね、
伝統的な染物を洋服やアクセサリに
活かし商品化しているアーティスト。
東京の有名デパートや老舗百貨店なんかから
出店してくれって誘致されているんだけど、
全部断って飽くまで島根にいるという。
東京・大阪の大都市圏には一切出ないで
育ってきた場所から動かないっていうスタンス。

彼は石見銀山に古民家を改造した
お店とアトリエを持っているんですよ。
世界遺産に指定されるとやっぱり
都市から大手の飲食チェーンとか来たがるわけですよ。
でも「絶対に貸しちゃだめ」って地主みんなを諭して
その代わりここに長く住んでくれる人たちを
誘致しようと提案している。

たとえば陶芸をやる夫婦だとか
絵描きだとか、もの作りをする人を募って
空き家をいくつか見せるんだって。
で、ここがいいって言ったら
そこを一緒にリノベーション(改修)して、
その人たちをそこに住まわせる。
で、そうやってどんどん「文化」を根付かせていく
ということをやっている。

大手のチェーン店なんかを入れちゃうと、
結局は町を荒らして村を荒らして、
人が来なくなったらハイ、撤退っていう
ことをするじゃないですか連中は。
そういう村を壊すようなことは絶対にさせないという。
それは新しいっていうか、今までどこの観光地も
やって来なかったことなんだよね。

新幹線通して駅つくってさ、
東京にあるようなお店呼んで来て
似非東京みたいな街をつくって、一時的にお金を儲けて
わ〜って喜んでいるような人たちとは全然違う。
長い目で俯瞰(ふかん)から見ている。大局的に。
どこの街もそれをやったらいいんだけどね。
いい加減目を覚ましてさ。


――福生を訪れる時にオススメのBGMがあれば教えてください。

福生と言えばやはり僕らの世代は南佳孝氏の
『スローなブギにしてくれ』が外せない(笑)
あの映画で初めて米軍ハウスを映像で見たからね。
洋楽ならデイヴ・クラーク・ファイヴの
『Because』は合いますよ〜
これからの季節、16号線を走るのにはマスト。






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――福生で「福が生まれた!」って感じた瞬間はありますか?

初著書『FLAT HOUSE LIFE』の取材をしていて、
いろんなハウス住人たちと知り合えたことかな。
特にantosのふたりと会えたのはすごく福が生まれたかも。
彼らの家に入ったときに、
「おお!こんなふうに住む人たちが出てきたか!」
って思ったの。
今まで僕らが知ってたハウス住人のタイプは
音楽由来の人、絵・写真由来の人、
安いから住んでいる人、そのどれかだったんだけど
そのどれでもないというかね。
いい意味でとてもショッキングだった。


――アラタさんにとって福生とは?

あんまり整理して考えたことないんだけど
なんか「聖地」みたいに考えているところはありますね。
戦後日本のポップミュージック/ロックンロールと
強い結びつきを持っている街。

関東でそういう街っていうのは
横須賀の本牧と埼玉県の狭山、
そして福生っていう感じがするよね。
他はあんまりないでしょ?

もちろんACBやLOFTのある新宿もあるけど、
都心の商圏だからねあそこは。
それを除けばこの3カ所。
中でも福生はすごく中核的な街。
大勢のアーティストを育んだ
米軍ハウスもたくさんあるしね。

戦後カルチャーの文化財として
本当はすごく残しておかなきゃいけないものなのに、
福生やハウスを好きだって言ってる人たちは
発言力も金銭的な力もすごく弱い。
理解しない人の方が力を持っている。
そこがとても残念。

確かにね、ハウスが舞台になった日本のロックシーンの
黎明期のこととかはロックファンでも
そんなに興味を持ってない人も多いから
ものすごくコアな文化ではありますね。

例えば、僕らは興奮するけど
「はっぴぃえんどのメンバーが住んでた」
と言ったって、ふ〜んぐらいの人って多いだろうし。
はっぴぃえんどすら知らない人だっているだろうし。

だからやっぱり弱いのかなぁって思っちゃうんだけど
それでもやっぱりカルト的なファンが
今もって訪れるといういう、まあ面白い街ですよね。

だから、さっきの続きになっちゃうけど
京都ぐらいもうちょっと古い建物が残る街という
イメージをしっかり立たせられたらいいんだけどな。

偉い人たちが全然気づいてないのね。この稀少性に。
まあ、いかんせん戦後に生まれたモノって総じて
ガラクタ扱いされちゃうんだよなぁこの国では。

ブリキのおもちゃとかと似てるじゃない。
怪獣のソフビ人形とかね。

あの時代に遊んだ戦後生まれの熱狂的なファンが
ガーッといて、時代を経てカルト的に盛り上がるという。
その人たちが相変わらず、「福生だ!米軍ハウスだ!」
って言ってるみたいなところがあって(笑)
なかなかサブカルチャーの域を出ないっていうか。
まぁサブカルチャーでもいいんだけど、
そのままだと片付けられちゃうからね。

鑑定団みたいに、これは素晴らしい!って
専門家に言われないと解ろうとしない(笑)

ちょっとそぐわない例えかもしれないけれど
ビートルズやストーンズ、それから…永ちゃん(!)
のファンぐらいしっかりした「固まり」になって自然発生的に
(米軍ハウスが)守られていくといいなぁと思う(笑)
だからこうやってブログに書いてくれたりすることは
認知を広めるという意味でとってもいいことですよ。


――あ、ありがとうございます。
ところで、著書『FLAT HOUSE LIFE』
『FLAT HOUSE style』を出されてなにか
変化はありましたか?






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僕がこの本出してすごく良かったなぁって思うのは
いろんな人たちを巻き込むことができたこと。
まったく別の土地に住む無関係な人や興味の薄い人に
都下とそこにある平屋というものを注目させたこと。
この本ね、関西で支持されてるみたいなんですよ。


――へぇ〜

意外でしょ?
向こうには米軍ハウスってないらしいの。
だからめずらしいのかな、と。これは東京都下と
神奈川・埼玉の一部のエリアだけの文化なんだ
ということに気づいたワケ。だからそこをね、
もっとブラッシュアップしていきたいなあと。

やっぱり日本人は、定義づけてタイトルをつけ
タグをつけてあげないとダメなんだよねえ〜
こっち向いてくれないの。
だからそれに近いことは、ある程度この本で
できたかなっていうのはあるんだけど、
もっともっと継続的にやっていかなきゃな、と。

これには価値があるんですよとハッキリ提示しないと
とっておくべきものなんだって思ってくれないからね。


――その米軍ハウスが取り壊されてしまう、
一番大きな要因はなんだと思いますか?


ズバリ、お金でしょう。
大体みんな代替わりのときの相続税の問題なんだよね。
だけどね、本当は生前贈与にすると
かなり減税されるようなんですよ。
だから壊してサラ地にして売るよりも
そっちの方がベターという場合が多いらしいんですね。
それをみんな知らないの。
壊さなければ産廃も出ないし、解体費用もかからない。
一石三鳥。ちゃんと残して生前贈与をしてほしい!


――僕たちのブログに対してなにか感想とか、
もしあればいただきたいのですが…


こうやっていろんな人にわざわざインタビュー
しに行くのはブログを書く姿勢としてスバラシイね。
中々ここまでやらんでしょうみんな。
どこそこのラーメンを食っただのそんなのばっかりで(笑)

あとはそうだなあ〜
もっと問題定義とかしていってもいいかもしれないね。
キチンと自分たちのスタンスを定めてそこから
モノを言うようなね。期待してます。


――最後にブログを見ている方に一言お願いします。

いつも自分の意思を明確に持って行動してください。


一向に慣れる気配のないグダグダなインタビューにも、
真摯にお答え下さったアラタ・クールハンドさん。
本当にありがとうございました。

お話の中に登場する石見銀山は、
管理人二人で訪れたことがあるのですが、
毎度のことながら例のものを被ってはしゃぎまわり…
大切なものを見逃しまくってしまいました。
「自分の意思を明確に持って」
僕らはまずはそこからだなっ!なっ!
ということを今さらではありますが、
強く強く思いました。

■アラタ・クールハンド
1965年生まれ東京出身。水瓶座。
和光大学・桑沢デザイン研究所/ビジュアルデザイン学科卒。
イラストレーション、タイポグラフィ、絵地図の制作から
洋品などの商品企画立案やパッケージデザインなどを手がける。
■オフィシャルブログ 【LET HIM RUN WILD】
http://arata-coolhand.cocolog-nifty.com/
■FLAT HOUSE CAFE
http://www.flat-house-cafe.com/


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今日は何位でしょうか。

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